店舗を経営される方にとって、防犯カメラの設置台数は悩みの一つでしょう。
防犯対策をしっかりと行うには、死角がないよう防犯カメラを設置する必要があります。
しかし、設置台数が増えることでコストがかかり、店内の雰囲気を損ねてしまったり、お客様に威圧感を与えてしまうことにもなります。
最近は多機能なカメラが登場しているため、防犯対策以上の効果を発揮することもできます。今回は、アパレル店舗における360度カメラの導入事例を詳しく紹介します。
お客様の問い合わせ経緯
当社にご相談くださったアパレル店舗を経営されているお客様の場合、店内の雰囲気をこわさないためにも、監視カメラの台数を減らしたいという課題がありました。
お客様の課題
- 監視カメラが目立つ店内を変えたい
- カメラの台数は減らしても防犯効果は下げたくない
今回のお客様は、[360度カメラ](https://isecj.jp/camera/camera-aptz-104m)に興味をお持ちでした。1台で広範囲を撮影できるのが、360度カメラのメリットです。
これならば、少ないカメラでも店内の様子をくまなく撮影することができるとお考えでした。
アイゼックでは、360度カメラの強みをさらに活かすソリューションを提案しました。
カメラ1台で、8か所を監視できるシステムの構築~360度カメラの機能を最大限に利用する方法~
通常のカメラであれば、90度ほどの範囲しか映し出せないところを、360度カメラなら全方位捉えることが可能です。
広いスペースを死角なく監視できると同時に、人や物の動きを確認しやすいという利点もあります。
更に、360度カメラの特長を最大限に活かすために、AI機能によるヒートマップの生成とスマホ1台で設定が可能なシステムを構築しました。
カメラの台数を減らすだけでなく、店舗にやってきたお客様の導線分析も可能となったことで、アパレルショップのオーナー様に大変喜んでいただけました。
製品に関する詳しい機能なども交えながら、詳細について紹介します。
1台で固定カメラ8台分の監視が可能になり、監視カメラが目立たない店内を実現
今回提案したカメラは、360度全方位を確認できるだけでなく、8個のPTZカメラを内蔵したものでした。
PTZカメラとは、Panoramac(レンズの水平方向への稼働)、Tilt(レンズの垂直方向への稼働)、Zoom(望遠・広角)の3つの機能を持つカメラのことです。
離れた場所にいながら、見たい場所に画角を合わせるなどのコントロールが可能です。
8個のPTZカメラを内蔵しているため、気になる8点にカメラを向け、固定カメラと同じ画角映像での監視が可能になりました。
1台のカメラで360度全方位に加えて8点の個別箇所を監視できるため、カメラ台数の大幅な削減を実現しました。
アパレル店舗では、服が自身にあうか鏡で確認したり、試着室を利用したりするお客様が多いため、他の業態に比べてカメラを気にする方が多いかもしれません。
そのため、カメラの台数を減らして店内の威圧感を大きく軽減することと、店内全域を監視できる状態の両立を実現する360度カメラは、アパレル店舗に最適なカメラと言えるでしょう。
AI機能によるヒートマップ生成で、売上向上のヒントも得られる
導入したカメラにはAI機能が搭載されており、その機能を使えばヒートマップの生成ができました。
例えばアパレルショップであれば、店内のどの位置に長くお客様がとどまっていたのか色の濃さで判断できます。
また、お客様が店内をどのように移動していたのかも把握できるなど、人の動きを分析する上で非常に便利です。
季節商品や新作をどこに置けば手にとってもらえるかがわかるため、売上向上にも貢献する記録映像となるのです。
防犯・セキュリティが向上しただけでなく、顧客の動線分析まで実施できたことに、お客様は非常に驚いていました。
360度カメラは、他のカメラと比較して価格は高くなりますが、複数台のカメラを設置するのと同じ効果が得られます。
工事費などを考慮するとコスト削減につながるケースが多々あるため、単純な価格の比較では見えてこないメリットがある商品といえます。
分かりやすい説明図で、手厚いサポート
360度カメラは機能も非常に多いため、カメラ導入後のサポートも手厚く行いました。
お客様に分かりやすいよう解説図付きの取扱説明書をご用意し、オンラインに公開しました。
設定手順で分からないことがあれば、いつでも・どこからでもスマホで確認できるようサポートしたのです。
カメラの扱いに慣れていない人でも安心して作業ができるため、スタッフの入れ替えがあった際に必要な引き継ぎの負担も減らすことができました。
全方位を監視する360度カメラの重要性
カメラの台数を減らしつつも、マーケティングやセキュリティの強化ができる360度カメラは多くの活用シーンがあります。以下では、360度カメラが有効となるケースをご紹介します。
(1)広い敷地を監視する必要があるケース
360度カメラは、壁や塀などの遮るものがない駐車場や農場・牧場、グラウンドなどと相性がよいカメラです。
ズーム機能を搭載したPTZカメラであれば、遠く離れた場所にいる人や物も詳細に映し出すことができるため、防犯性能も高いといえます。
(2)カメラを目立たせたくないケース
雰囲気を大切にする飲食店や景観を損ねたくない観光地が当てはまります。
威圧感を抑えつつ防犯カメラを設置したいというニーズに応えるのが、360度カメラを活用した防犯システムです。
防犯カメラの設置は、犯罪の抑止効果が期待できますが、逆にカメラがあることで威圧感を与えてしまったり、空間の雰囲気をこわしてしまったりするケースもあります。
そのため、雰囲気や景観を重視する場所では、できる限りカメラが目立たないよう、設置する台数を減らせるシステムの構築が効果的です。
(3)コストを抑えてセキュリティ強化を図りたいケース
車の販売店やレンタカー店などは、単価の高い商品を比較的広い土地で管理しなければなりません。
また、農場や牧場、港など、季節や時間帯で監視する場所が異なる場合はカメラの台数が一定必要でした。
そういった場所で予算を抑えた形で、セキュリティ強化を図りたいといった場合に360度カメラはおすすめです。
カメラ単体の価格を比較すると、360度カメラは高価です。
しかし、カメラは単体で購入するものではなく、設置工事が伴います。
台数が増えるほど配線の費用や固定金具など付属品のコストが増えるため、トータルで比較した場合、360度カメラの導入の方が安くなるケースもあります。
豊富な実績により、お客様のニーズを的確に捉えた提案を可能にする
今回ご紹介した360度カメラは非常に便利ですが、その分費用も高額です。
そのため、アイゼックでは検証用カメラの貸出サービスも行っています。
事前に使い勝手などを実機に触れながら確認することが可能です。
困った時には担当のエンジニアによるサポートも受けられるため、安心してシステム導入いただける体制を用意しています。
今回紹介した事例以外にも、360度カメラの用途はさまざまあります。
気になることがあればいつでもアイゼックにお声がけください。
360度カメラだけでなく、多種多様な機能を搭載した機器を組み合わせて、ニーズに応えるシステムを提案させていただきます。
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