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HDMI出力がないドローンのカメラ映像を遠隔監視する方法 | 映像がブラックアウトしない方法は?

近年、ドローンはさまざまな場面で活躍しています。これは監視システムにも当てはまり、ドローンを使った遠隔での監視はすでに多くの場所で導入されています。


人の目が届かない場所でも自由自在に操作、監視ができる点はドローンの大きな強みといえるでしょう。


今回は、お客様が構築されたドローンを使った遠隔監視システムで起きていたトラブルを解消した事例を紹介します。


システムの構築だけでなく、アイゼックの技術力はトラブルの原因究明や解決策の提案にも発揮されました。ドローン映像を遠隔監視するために必要な機器と技術について、詳細に解説していきます。

本記事の概要


ドローン要約

お客様の問い合わせ経緯

アイゼックでは、密漁を防止するためにドローンを使った遠隔監視システムを構築するご要望にお応えした事例があります。


その成果は大きな反響を呼び、人気のビジネスニュース番組でも大々的に取り上げられました。この実績から、アイゼックに問い合わせいただいたのです。

ドローン お客様の悩み

■お客様の課題

  • ドローンのカメラ映像を遠隔から監視したい
  • モニタ、PCなどで映像を監視したい

今回、ドローン映像を遠隔から監視することが目的でした。そこでお客様は、ドローンのカメラ映像を受信するスマートフォンからクロームキャストを使ってHDMI出力する仕組みを構築することで、出力されたHDMI映像をエンコーダーに接続されていたのです。


しかし、実際に接続するとブラックアウトしてしまい、映像が映らなかったため、アイゼックに解決の依頼がきました。

HDMIがないドローンから映像を伝送する仕組み~クロームキャストを使ったHDMI出力を可能に~

過去の事例ではドローンのコントローラーからHDMI出力が可能でした。しかし今回は、お客様が使用するドローンのコントローラーにHDMI出力が搭載されていなかったのです。


そこで、お客様は スマートフォンで受信したドローンの映像をクロームキャストからHDMI出力し、そのHDMI映像をエンコーダーに出力して遠隔へ伝送する という形で構成、実行されていました。

ステップ1:クロームキャストからのHDMI出力を可能に

スマートフォンからクロームキャストに映像を出力、そしてエンコーダーにつなげるという構成がうまく機能しておらず、エンコーダーではブラックアウトした映像しか映らないという事態が発生していた今回の事例。


原因を特定するためにクロームキャストの映像をモニタにつないで映したところ、正しい映像が確認されました。


つまり、クロームキャスト自体に問題はないものの、クロームキャストから出力されるHDMI映像がエンコーダーでは正しく認識されていなかったのです。前例のない取り組みだけに、解決方法が分からず頭を悩ませました。

ステップ2:不正コピー防止機能に原因があることを特定

アイゼックが持つ映像関連の技術知見をフル活用し、お客様から問い合わせを受けてすぐに原因を特定することができました。


今回の原因は不正コピー防止機能(HDCP機能)にあったのです。クロームキャストから出力されるHDMI映像はHDCP機能が付与された映像となるため、HDCP機能に対応している製品(テレビやモニタ)以外は、ブラックアウトした映像しか表示されなくなっていました。


このような原因は、一定水準以上の知識がなければ特定できませんが、アイゼックは映像に加えてネットワークを専門としているため、今回のような特殊な案件にも対応することができました。

ステップ3:HDMIスプリッターで課題を解決

問題となったHDCP機能は、 HDMIスプリッターという映像を分離させる機器によって解除 することが可能です。


今回の事例では、まずアイゼック社内でお客様と同等の環境を構築して、クロームキャストから出力されたHDMI映像をスプリッターで分離し、HDCP機能を除去した映像をエンコーダーに入力しました。


その結果、正常に映像が閲覧できることを確認し、お客様先への導入が可能となりました。

ドローンを活用した映像監視・管理の重要性

ドローンを使った映像は、今後も多くの用途で活用されていくことが予想されます。以下では、ドローンカメラの映像を事業や安全管理などに役立てる一例をご紹介します。

(1)建物や施設の管理

ドローンカメラが優れているのは、これまで人が入っていけなかった場所や人の力では登れなかった高所を映像で確認できる点にあります。その一例として注目されているのが、老朽化した建物・施設における目視での安全管理です。


高度経済成長期に建築された建物や橋梁をはじめとしたインフラ設備の老朽化が大きな社会問題となっています。特に高所における壁面の劣化や亀裂などは、足場を組んで目視で確認する必要がありました。


そのような危険な環境で人の目の代わりとなるのが、ドローンカメラです。多くの現場ですでにドローンカメラでの撮影が行われ、建築業界をはじめとした広い分野で新たなソリューションが生まれています。

(2)人が立ち入れない場所

山間部での地形調査や測量、放射線汚染エリアの監視、被災現場での安否確認などでも、ドローンカメラが大いに役立っています。


特に、事故や遭難現場など、容易に人が立ち入れない場所で緊急性が高い場合、高精度カメラを搭載したドローンが非常に役立ちます。


また、夜間の密漁防止や家畜・農作物の監視では、赤外線カメラ機能が有効です。現場の状況を正しく把握することで、窃盗被害を最小限に食い止め、犯罪の再犯を防ぐことが可能となります。

(3)インターネットによる遠隔監視

ドローンカメラの映像は、コントローラーで確認するだけでなく、エンコーダーなどと組み合わせることでインターネット回線での遠隔監視も可能になります。


モバイルルーター等で映像を伝送して、モニタ・PCを通して確認できる他、レコーダーを使って必要に応じて録画することも可能です。


この他にも、特殊な用途でのドローンカメラシステムの構築が必要な場合は、ぜひアイゼックにご相談ください。

カメラ機器の提案はもちろん、遠隔監視システムの構築など、ネットワーク技術も活かして、最適なシステムを提案させていただきます。

新たな活用方法を実現できる技術力がアイゼックの強み

新たな映像技術として注目を集めているドローンカメラによる撮影。密漁の防止や測量、震災現場での人命救助活動など、さまざまな分野に用途が広がるなか、これからも多種多様な使い方が検討されていくでしょう。


アイゼックでは、 これまでに培ったノウハウを活かして、お客様の希望に応えるシステムを検討・構築していきます。 まずはどのような目的でドローンカメラを活用したいのか、お気軽にご相談ください。

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