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配線なしで遠隔地からカメラ映像を確認する方法|フローティングクレーンでの港湾作業事例

広い港の中で、物流に関わるモノや車両の位置を正確に決めるには、離れた場所から全体を大きくとらえることが欠かせません。


しかし、港は重機など多くの車両が行き交うため、監視カメラに必要な配線が一筋縄ではいかない場合があります。


今回は、特殊な設置環境である港湾での事例を紹介します。


配線なしで遅延なく映像を遠隔監視する方法が求められていたなかで、どのようにお客様のニーズに応えたのでしょうか。


無線通信とエンコーダーを活用した監視カメラシステムの構築と遅延時間検証の事例を詳しく解説します。

本記事の概要


フローティングクレーン 要約


お客様の問い合わせ経緯

当社にご相談くださった、お客様はフローティングクレーンでの港湾作業を行っており、 配線なしで遠隔地にあるカメラの映像を確認したいというニーズをお持ちでした。


港湾には多くのトラックや作業用の車両が行き来し、監視映像を見る場所とカメラの間に配線ができないという課題があったためです。 フローティングクレーン お客様の悩み

お客様の課題

  • 配線なしで遠隔地からカメラ映像を監視したい
  • 無線通信でもタイムラグのない映像確認が必要

フローティングクレーン用の監視カメラを必要とされていた今回のお客様。


フローティングクレーンとは、貿易港などで船の積み荷を巨大なクレーンで吊って陸揚げするための重機です。


海面に浮かんでいるため、作業する際の位置決めが非常に重要となります。


広い港の中で位置を決めるには、遠く離れた場所から全体を大きくとらえた映像が欠かせません。


従来は監視カメラを使ってフローティングクレーンの状況を監視してこられましたが、上記で述べたように配線工事ができず遠隔監視を実現できない状況でした。


この課題に対して、アイゼックの提案内容を解説します。

エンコーダーで遠隔監視を可能に~無線通信を活用した監視カメラシステムの構築~

フローティングクレーン 解決

今回の事例で導入を提案したのは、エンコーダー「LAN-HD264E」です。この製品の特長は、 監視カメラのハイビジョン映像をデジタルに変換して、ネットワークを通じて遠方に送信できる点にあります。


デジタル化した映像や音声のデータは、レコーダーで確認できるだけでなく、PCやスマホでも確認でき、さまざまな形で活用することが可能になります。


今回は、この「LAN-HD264E」を使ってどのように課題を解決したのか詳しく紹介します。


同様の課題をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

機能1:エンコーダーと無線機器の組み合わせで課題を解決

監視カメラ設置の現場は、多くの船が行き交う港湾です。船だけでなく、貨物を運ぶトラックやクレーンも数多い現場ですが、こうした車両の存在が監視カメラシステムにも大きく影響していました。


フローティングクレーンの港内での作業位置を決める際、離れた場所から全体像をとらえることが欠かせません。


そのためカメラ自体は遠い場所に設置するのですが、フローティングクレーンのオペレーターに指示を出す人間はできるだけ現場の近くにいる必要があります。

カメラと指示役の位置は相当な距離になるのですが、その間には多くのトラックやクレーンが走っていて、配線ができない状態です。


そこでアイゼックはエンコーダー「LAN-HD264E」を提案しました。


これは、 SDIカメラの映像を取り込んでデジタル信号化し、無線機器と組み合わせることで映像を遠隔伝送できる装置です。


今回の事例では、実証のためにお客様が持ち込まれた無線機器と「LAN-HD264E」での画像伝送を行いました。


その結果、問題なく伝送することができ、課題解決につながりました。

機能2:遅延時間も最小に抑え込み、円滑な作業が可能に

LANケーブルではなく無線で映像を伝送する際、問題となるのが遅延時間の発生です。


あまりにも遅延時間が大きい場合は、フローティングクレーンに指示を出す作業にも支障が出てしまう可能性があります。


今回は、 遅延時間検証までアイゼックで行い 、200mm~300mm/secであることを確認しました。


この程度の遅延であれば作業への実質的な影響はないとの判断で、上記で提案したシステムが採用されたのです。


導入時の実証に加えて、導入後のサポートまでをアイゼックで対応した ことによって、お客様に非常に喜んでいただけました。


また、現在までトラブルなくカメラシステムが運用できていることから、高い満足度を獲得しています。

エンコーダーを活用した防犯・監視カメラシステムの重要性

当社にご相談いただいた企業様に、エンコーダーを活用した無線通信でのカメラシステム構築を提案させていただいたところ、とても喜んでいただきました。


このように、エンコーダーを使ったカメラシステムには、多様な使い方があります。以下では、その活用方法の一例をご紹介します。

(1)Web会議のセキュリティ強化

今回紹介したエンコーダー「LAN-HD264E」は、サーバーを介さない伝送を可能にします。


そのため、中継サーバーなしでPC映像だけを遠隔地に伝送したい、といったニーズにも適した製品です。


インターネットに接続することなく、映像だけを伝送できるため、セキュリティの面でも非常に信頼性が高く、多くの企業や研究機関での導入が進んでいます。


より高いセキュリティを求める場合も、最新の伝送方式である『SRT伝送』によって、AES-128やAES-256で暗号化した通信が可能です。


万が一、伝送の途中で盗聴されるようなことがあっても、暗号化されているため情報漏洩の心配がありません。

(2)出退勤の確認にエンコーダーを活用

「LAN-HD264E」は、オフィスや工場での出退勤確認にも利用されています。


特に、「LAN-HD264E」にはスプリッタ機能があるため、モニタに映像を表示したまま映像を取り込むことが可能。


ハイビジョン映像をLANケーブルによって伝送するため画質も優れており、人の顔を識別するような用途にも十分対応しています。


高画質映像を社内イントラネット上で確認できるなど、多彩な使い方ができる装置として注目を集めています。

(3)映像・シリアル信号・制御信号の伝送にも対応

「LAN-HD264E」は、映像以外にもシリアル信号(RS232C、RS485)と接点信号を同時に伝送できます。


デジタル化したデータをアナログに変換する「LAN-HD264D」と組み合わせて、工場やプラント設備でカメラ映像と一緒に、PLCなどの制御機器の信号やセンサー接点信号を遠隔へ伝送し、映像と一緒にモニタリング環境を構築することも可能です。


また、1対Nでの接続が可能となっているため、複数の拠点に同時に音声を送るといった使い方もできるため、設備や機器を管理する場面でも多く活用されています。


音声に関しては、双方向でのやり取りも可能です。

画像伝送の多数実績と導入前後のサポートで安心

ハイビジョン映像をデジタルに変換して伝送する「LAN-HD264E」には、実に多くの用途があり、多彩な機能を活かした導入実績があります。


今回紹介した機能以外にも、動体検知機能やセンサーをはじめとした各種機器と組み合わせた事例など、まだまだ紹介しきれていない情報がありますから、詳しくはアイゼックまでお問い合わせください。


さまざまな課題を解決できるソリューションをご用意しています。


## 関連事例(エンコーダー) [工場における出退勤確認〜エンコーダーにより遠隔確認を低コストで実現〜](https://isecj.jp/case/attendance-management)
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