防犯カメラ設置後の悩みとして、ピントのずれやカメラの向きが変わってしまうことがあげられます。
設置場所は高所であることが多く、調整には手間やコストがかかるケースも少なくないでしょう。
今回は、防犯カメラを遠隔で向きなどを操作できるカメラについてご紹介いたします。
操作が自在になるだけでなく、同時に得られるセキュリティ面のメリットも解説します。
防犯カメラを検討の際は、ぜひ参考にしてみてください。
本記事の概要
お客様の問い合わせ経緯
当社にご相談くださった企業様は、 振動によって防犯カメラのピントが合わなくなってしまう ことに悩んでいらっしゃいました。
また、同様に画角もズレてしまうため、定期的に手作業でカメラを調整しなければなりません。
調整には手間もコストもかかる ため、防犯カメラシステムを運用する上で大変な負担となっていました。
こうしたカメラの調整にかかる負担を軽減することはできないか、アイゼックにご相談いただいたのです。
お客様の課題
- 振動によってズレるカメラのピントと画角を簡単に調整したい
- カメラの設置場所での作業にかかる負担を軽減したい
このように、設置したカメラの位置の頻繁なずれや高所に設置していて人の手によるカメラ調整が難しいケースなどに困っている方は多いのではないでしょうか。
高速道路のように常時振動にさらされる場所や風の影響でカメラの向きが変わりやすい場所など、野外での防犯・監視カメラに多いトラブルです。
高所に設置している場合、鳥など動物の接触によって調整角度が狂うことも十分に想定されます。
今回の依頼に対して、アイゼックはどのような対策を講じたのか、事例を詳細に見ていきましょう。
最小のコストでズーム機能付きカメラに入れ替え~遠隔でカメラを自在に操作する機能~
導入を提案したのが、監視カメラ「DLC-100MP」です。
このカメラの最大の特徴は、 アナログカメラでありながら、電源ズームレンズを搭載していること。
2.7mm~13.5mmの範囲でのズームが可能です。
レコーダーからの操作はもちろん、PCやスマホからの遠隔コントロールもできるため、いつでも手軽に欲しい映像を撮影、録画することができます。
便利なズームレンズに加えて、低コストでの入れ替えができる点も大きなメリットです。
今回の事例では、どのような機器と組み合わせてズームレンズ搭載カメラに入れ替えが行われたのか、機器の特徴に詳しく触れながら解説します。
ポイント1:離れた場所からカメラのズーム、ピント合わせが可能
監視カメラ「DLC-100MP」は、2.7mm~13.5mmまでのズームが可能で 見たい範囲を自由に変更できると同時に、ピント合わせも自動で行う ことができます。
今回の事例では、この自動でピント調整できる機能が大いに役立ちました。
ピントがズレる原因は振動と判明していました。
もし、鳥との接触などが原因ならば、カメラ周辺への侵入を防ぐなどの物理的な対策が可能です。
しかし、今回のように振動が原因の場合は、物理的な対策では根本的な解決が図れません。定期的なピントの調整が必要であることを前提に、カメラシステムを運用することが求められるためです。
このような条件下だったからこそ、ズーム機能を活かしたピント調整が課題の解決に見事に合致しました。
ズームの操作に難しい手間はありません。
モニタなどで録画中の映像を確認しながら調整できるため、操作に慣れていない管理者でも容易にコントロールできることも大きな利点です。
ポイント2:新規の配線なしでズーム機能付きカメラが使える
単にズームレンズ搭載のカメラへの入れ替えに成功しただけでなく、費用を最小限にとどめられたことも注目すべき点です。
アイゼックが提供するデジタルレコーダーには「UTCコントロール」という機能が搭載されています。
この機能を使えば、 既存の映像用同軸ケーブルを介して、カメラへ操作信号を送ることができるため、新たに制御用のケーブルを配線する必要がないのです。
しかも、レコーダーに搭載されたUTCコントロールと電動ズームカメラを組み合わせれば、PCやスマホ経由で遠隔から操作ができます。
今回は、この機能を最大限に活かして、1つのボタン操作だけで自動的に調整ができるようになり、管理者の方から大変喜んでいただけました。
ポイント3:遠隔でのコントロールでコストも手間も大幅削減
今回の事例では、アナログカメラでズーム機能を持つ「DLC-100MP」を提案したことそのものが、大きなポイントでもありました。
IPカメラなどのデジタルカメラに移行する場合、映像用の同軸ケーブルに代わって、LANケーブルが必要になります。
既存ケーブルの撤去、並びにLANケーブルを新規に配線するとなれば、大きな費用が伴います。
また、LANケーブルは最長配線距離が100mであり、100m以上の配線を行う場合は、途中にハブなどを設置しなければなりません。
今回のお客様は、ケーブル配線距離が非常に長く、LANケーブルの新規配線はコスト的にも物理的にも難しい状況でした。
こうした条件を踏まえ、総合的に判断した結果、アナログカメラの採用となったのです。
アナログカメラの詳しい機能はこちらから▷「アナログカメラ DLC-100MP製品ページ」
電動ズーム機能を使った防犯・監視カメラシステムの重要性
このように、電動ズーム機能を搭載したカメラシステムには、多様な使い方があります。以下では、その活用方法の一例をご紹介します。
(1)見たい場所を大きく確認できる
通常の監視中は広い画角で全体を把握したい一方で、人が作業しているタイミングでは、手元の様子などを詳しく確認したいというケースは少なくありません。
こうした場合に非常に便利なのが、電動ズーム機能です。離れた場所でモニタ映像を確認しながら、簡単な操作で画角を調整できます。
例えば、工場であれば普段は生産ライン全体を監視しておいて、新人などキャリアの浅いスタッフが正しい手順で作業ができているかをズームで確認することができます。映像をもとに技術的な指導を行うなど、さまざまな用途が考えられます。
また、人の顔を識別したい場合にもズーム機能が役立ちます。
オフィスなど人の出入りが多い場所で、誰が・いつ入退室をしたのか確認したい場合は、人物だけを大きく映し出すことが欠かせません。
任意の画角に調整できる電動ズーム機能を搭載したカメラだからこそ、こうした使い方も容易にできます。
(2)電動ズーム搭載のIPカメラも多数ラインナップ
今回紹介した事例では、既存の配線を活かすために、用途を考慮した上でアナログカメラを提案しましたが、電動ズーム機能を搭載したカメラにはデジタルタイプもあります。
IPカメラ「IDC-1003EL」は、アイゼックのレコーダーと組み合わせることで、電動ズーム操作をレコーダー側、あるいはPC・スマホ経由で行えるモデル。
そしてIPカメラの最大の利点は、インターネット経由で遠隔監視やカメラの設定変更ができることです。
また、LANケーブル1本で設置できる点もIPカメラのメリットです。
「IDC-1003EL」はPoE給電にも対応したモデルであり、電源ケーブルを必要としません。
新規にカメラを設置したい場合、配線のコストも大幅に抑えられる利点もあります。
(3)カメラの数を減らしつつ、セキュリティも強化
ズーム機能を搭載したカメラを使って、カメラの設置台数を減らすことも可能です。
現場から遠く離れた場所にしかカメラを設置できない場合では、画角を狭くしてあらかじめズームした状態にしなければなりません。
一方で、現場全体を広範囲に映し出すカメラも設置し、複数台のカメラによるシステムを運用しているケースが多々あります。
こうしたケースでは、ズームカメラ1台に置き換え、必要に応じて任意で画角を操作して、2台でとらえていた映像を1台でまかなうことが可能です。
他にも、広角カメラへの入れ替えによって、少ないカメラ台数で死角をなくす方法などがあります。
カメラの数を減らしつつ、防犯機能は強化したい場合なども、ぜひ豊富な実績とノウハウを持つアイゼックにご相談ください。
カメラの機能を活用することでコストを抑えるご提案も
ズーム機能を搭載した防犯カメラは、さまざまな用途があり、機能を活かして多種多様な課題を解決することが可能です。
今回紹介した事例以外にも、アイゼックでは多彩な活用方法や導入実績がありますから、お気軽にお問い合わせください。
それぞれの現場や用途に合ったプランニングで、いろんなお悩みにお応えしていきます。