今回紹介するのは、下水道施設内の設備を遠隔監視するシステムの事例です。下水道施設に監視カメラとレコーダーを設置して、現地で問題が発生した際に遠隔地からアラームを作動させたいという要望でした。
最近のカメラ・レコーダーは多数の機能を兼ね揃えています。しかし、すべての機能を活用するには各製品の深い理解、要件の整理能力、電気設計をふくめた多数の知識が必要です。
必要な機能を受けて、 製品を導入するばかりがソリューションとなるわけではありません。 今回の事例では、アイゼックが提供するレコーダーの機能を活かし、どのようにお客様の要望を解決していったのか、事例をベースに詳しく解説していきます。
お客様の問い合わせ経緯
当社に寄せられたのは、 監視システムのレコーダーと現地のセンサーを連動させて、遠隔から警報機と警報用の回転灯を操作したい というご相談でした。
■お客様の課題
- 映像を遠隔監視していても、異常が発生した場合に、現地に素早く伝える手段がない
- レコーダーとセンサーを連携させると同時に、警報機と警報用の回転灯を操作したい
遠隔地から警報機や警報用の回転灯を作動させるには、電気設計に関する知見が欠かせません。センサーや警報用の回転灯の仕様を確認した上で、監視システムとの互換性を確かめ、回路設計と配線図を作成する必要があるためです。
この課題の解決に取り組んだアイゼックでは、 電気設計に精通した技術者の力を生かして 、お客様が希望する機能を実装することに成功しました。
電気配線図を読み解き、回路設計から着手~レコーダー・センサー・警報機を連携した独自システムを構築〜
今回の課題は、カメラ映像を遠隔で監視するだけでなく、センサーが作動したら現地の警報機・警報用の回転灯を作動させる機能をレコーダーで構築する必要があるということでした。
そのため、単に映像やセンサー伝送用のケーブル配線工事をするだけにとどまらず、電気回路設計も含めた電気的な仕組みを構築する必要がありました。アイゼックがどのように課題を解決したのか、詳しく紹介します。
機能1:現場の異常を検知するセンサーとレコーダーの連携
現地に設置したセンサーが検知した異常を遠隔で確認するためには、映像を伝送しているレコーダーとの連携が必要です。アイゼックが提供するレコーダーには、 アラーム信号の入力機能が搭載されているため、追加の機器を用いることなく、センサーからの信号を受け取ることが可能 です。
レコーダーのセンサー入力接点に、センサー信号の配線をつなげて、レコーダー側の録画設定をすれば、連携は完了です。詳細な設定に関しては、オンライン説明書を見ながら現場で対応できるため、スムーズな構築が可能でした。コストをかけずに、対応できた点も高く評価いただけました。
機能2:管理ソフトから警報機・警告用の回転灯の操作を可能に
レコーダーにアラーム接点をつなげたことで、警報機と警報用の回転灯を監視場所から操作することも可能にしました。監視用のソフトである「UMSクライアント」の画面上にアラームボタンがあり、ボタンを押せばレコーダーのアラーム接点が入り、警報用の回転灯を遠隔で回すことができるという仕組みです。
設定次第で、センサーが作動したときにも警報用の回転灯が動くようにできるため、お客様の要望通りに仕上げることができました。
機能3:電気設計にも強いエンジニアがオーダーメイドの仕組みを構築
今回の事例では、 アイゼックのエンジニアが持つ電気設計の知見が大いに役立ちました。 アラーム接点のON・OFFで警報用の回転灯を回したり止めたりする制御を可能にするには、電気配線図が読めて、回路設計ができるレベルの電気的な知識が不可欠です。センサーや回転灯の仕様を確認して、双方に互換性があるかどうかも判断しなければなりません。
一般的な工事会社では、こうした電気部分の対応が難しい場合がありますが、 アイゼックであれば、オーダーメイドのシステムを構築することが可能 です。監視カメラシステムやカメラ・レコーダーなどの機器が持つ機能を最大限に生かして、最小のコストで最大の効果をあげることができますので、ぜひアイゼックにご相談ください。
監視カメラシステムを使ったソリューションのポイント
さまざまな場所で導入されている監視カメラシステムですが、映像を伝送する以外にも、幅広い用途があります。
今回の事例で紹介したように、レコーダーのセンサー入力から信号を受け取り、デジタル化して遠方に伝送すれば、シリアル信号・音声通信を相互にやり取りすることも可能です。以下では、当社にご相談いただく内容とご提案内容の一例をご紹介します。
(1)カメラ映像と音声データ、電源を同時に伝送
アイゼックが扱う機器の中には、映像と音声、電源の3つを同時に伝送する機能を持つものがあります。
通常であれば、カメラ・マイク・電源のそれぞれにケーブルの増設が必要となりますが、1本のケーブルに集約できるため、ケーブルの新設にかかる費用がありません。
モニタでの監視はもちろん、パソコンやスマートフォンから映像や音声を確認できるため、使い勝手にも優れたシステムです。さまざまなシチュエーションでの利用が想定できるため、導入企業が増えています。
(2)センサー出力データを遠隔で検知
映像データを伝送する仕組みを利用して、さまざまなセンサーから出力されたデータをデジタル化して、遠隔地に送ることが可能です。
例えば、扉や窓に取り付けた開閉センサーの信号を伝送するシステム。予期せぬ侵入者の有無を確認できる他、幼稚園や老人ホームなど、人の出入りを常時監視したい場合などに利用できます。
時間帯を決めてON・OFFを設定できるスケジュール機能や信号を検知してメール発報する機能など、便利な機能も搭載しています。
(3)豊富な機能を持つ遠隔監視ソフトを利用したシステム
遠隔監視ソフト UMSクライアントは、100ヶ所までのデジタルレコーダーを登録できるほか、豊富な機能を備えたソフトウェアです。最大16分割で再生できる他、今回の事例で取り上げたように、アラームボタンを利用してオリジナルの操作を追加することも可能。
録画設定が細かくできるため、シリアル通信やセンサー出力を利用してさまざまな使い方ができます。
回路設計や電気設計にも対応できるアイゼックの強み
機器の設置やシステムの構築はもちろん、 電気設計が必要な用途にも対応できる のが、アイゼックの強みです。製品や技術に深い知見を持ってはじめて、製品の強みを引き出すことが可能です。
多種多様なニーズに応えるために、製品と回路設計や電気設計を含めた技術力で、お客様のご要望にしっかりとお応えしていきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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