OpenClawからChatGPT APIへ移行し、社内ダッシュボードを安定運用できるようにしました
前回の技術ブログを書いたのが4月でした。
現在が6月15日なので、約2ヶ月ほど技術ブログの更新が止まっていたことになります。
「何もしていなかったのか?」というと、まったくそんなことはありません。むしろこの2ヶ月は、社内システムの改善やAI活用の実験をいろいろと進めていました。
今回は、その中でも特に大きかった OpenClawを使った社内ダッシュボード運用の見直し について書きたいと思います。
OpenClawで社内の数字を分析する仕組みを作っていました
4月頃に、OpenClawを使った記事を書きました。
当時はOpenClawを使って、会社の業績やホームページのアクセス状況などをまとめて確認できるダッシュボードを作っていました。
具体的には、次のような情報をダッシュボードに集約していました。
- 会社全体の売上状況
- ホームページのアクセスデータ
- Google広告のデータ
- 問い合わせ状況
単に数字を一覧で見るだけではなく、それらのデータをAIに分析させて、レポートとして出力するところまで作っていました。
たとえば、売上が増えているのか。アクセスが増えているのか。どの事業が伸びているのか。逆にどこに課題があるのか。
そういった内容をAIに要約させることで、毎回自分で数字を見に行かなくても、会社の状態をざっくり把握できる仕組みを目指していました。
OpenClawの良いところ
OpenClawの良いところは、ChatGPTのサブスクを契約していれば、そのサブスクの利用料の中で使えるという点です。
つまり、追加でAPIの従量課金を発生させずに、AIを使った処理を試せるというメリットがあります。
AIエージェント的な仕組みを試したり、ブラウザ操作を含む作業をAIに任せたりするには、とても面白い仕組みだと思います。
実際、OpenClawを使ったことで、社内データをAIに見せて分析させるという発想を、かなり具体的に試すことができました。
新しいAIツールを試す入口としては、非常に良かったと思っています。
ただ、OpenClawは現在使っていません
ただし、結論から言うと、現在はOpenClawを使っていません。
理由は、認証まわりの運用が少し手間だったからです。
OpenClawを使った仕組み自体は面白かったのですが、2週間ほど経つと認証が切れてしまい、AIレポートが正常に出力されないという問題が起きました。
再認証すれば復旧はできます。
ただ、社内で毎日・毎週使うダッシュボードとして考えると、この「定期的に再認証が必要になる」という運用は少し重たく感じました。
AIを使った仕組みは、最初に作ることよりも、安定して動き続けることの方が大事です。
特に経営ダッシュボードのようなものは、見たいときに見られることが重要です。
「今日はレポートが出ていない」 「認証が切れている」 「再ログインが必要」
となってしまうと、だんだん使わなくなってしまいます。
経営ダッシュボードでは、AIにやらせることはある程度固定される
今回作っていたのは、会社の業績やWebサイトのアクセス状況、ECサイトの売上などを確認するための経営ダッシュボードです。

このような用途では、AIにやらせることはある程度決まってきます。
たとえば、毎回以下のようなことをAIに依頼します。
- 売上の増減を確認する
- 前月や前年との違いを見る
- アクセス数の変化を確認する
- 問い合わせ数の傾向を見る
- 気になる変化や課題をレポートにまとめる
つまり、毎回まったく違う作業をAIに自由にやらせるというよりも、決まったデータを渡して、決まった観点でレポートを出してもらう形になります。
この場合、OpenClawのようなAIエージェント的な仕組みを使うよりも、ChatGPT APIやGemini API、Claude APIなどを直接使う方がシンプルです。
ブラウザ上で人間のように操作させるよりも、必要なデータを整理してAPIに渡し、レポートだけ生成させる方が安定します。
ChatGPT APIに移行しました
そこで、OpenClawを使う構成をやめて、ChatGPT APIを直接使う形に変更しました。
現在は、ChatGPT APIの軽量モデルであるChatGPT 5.4 miniを使って、ダッシュボード上のデータを分析し、レポートを出力する仕組みにしています。
具体的には、社内の売上データやアクセスデータ、ECサイトの売上データなどをダッシュボード側で整理し、その内容をChatGPT APIに渡して分析させる形です。
これにより、OpenClawの認証切れに依存せず、安定してAIレポートを出力できるようになりました。
軽量モデルでも十分に質の高いレポートが出せる
今回やってみて分かったのは、経営ダッシュボードのレポート出力であれば、軽量モデルでも十分に質の高いレポートを出せるということです。
もちろん、非常に複雑な分析や高度な推論をさせるのであれば、より高性能なモデルを使った方がよい場面もあると思います。
ただ、日々の売上やアクセス数、ECサイトの状況を見て、変化を要約し、簡単な考察を出す程度であれば、軽量モデルでも十分に実用的でした。
むしろ、ダッシュボード用途では、毎回安定して速く、低コストで動いてくれることの方が大切です。
その意味では、ChatGPT 5.4 miniのような軽量モデルは、かなり相性が良いと感じました。
APIの従量課金は、経営ダッシュボードと相性が良い
OpenClawは、ChatGPTのサブスク内で使えるというメリットがあります。
一方で、経営ダッシュボードのように、AIにやらせる内容がある程度固定されている場合は、APIの従量課金の方がビジネスモデル的にちょうどいいと感じました。
APIを使うと、使った分だけ料金が発生します。
一見すると、サブスク内で使えるOpenClawの方が安く見えるかもしれません。
しかし、実際に経営ダッシュボードで使う程度であれば、API利用料はかなり小さいです。
今回のように、定期的にレポートを出す程度であれば、月に数百円もかかりません。場合によっては、月100円にも満たないくらいの費用で運用できます。
それで安定してレポートが出せるのであれば、十分すぎるほど費用対効果は高いです。
AIを業務に組み込むと聞くと、なんとなく大きなコストがかかるように感じます。
しかし、用途を絞って、軽量モデルをうまく使えば、実際のコストはかなり低く抑えられます。
OpenClawでなくても実現できることが分かった
OpenClawを使ってみたことで、AIエージェント的な仕組みの可能性はかなり感じました。
一方で、今回のような社内ダッシュボード用途であれば、必ずしもOpenClawのような仕組みを使わなくても、ChatGPT APIを直接組み込むだけで十分に実用的なものが作れることも分かりました。
むしろ、社内システムとしてはシンプルな構成の方が運用しやすい場面もあります。
新しいツールを試すことは大切です。
ただ、最終的には「流行の構成」よりも「毎日ちゃんと動く構成」の方が大事です。
今回の移行は、まさにその判断でした。
OpenClawを試したことで、やりたいことの方向性は見えました。
そのうえで、実際の運用に合わせて、よりシンプルで安定したChatGPT APIの構成に移行した、という流れです。
AI活用は実験から運用の段階へ
この2ヶ月で感じたのは、AI活用はもう「試してみたら面白い」という段階から、「どう業務の中に安定して組み込むか」という段階に移ってきているということです。
AIで何かを作ること自体は、以前よりかなり簡単になりました。
ただ、本当に業務で使うには、次のような部分が重要になります。
- 認証が切れずに動き続けるか
- エラーが起きたときに原因を追いやすいか
- 毎日使う人にとって面倒ではないか
- 既存の業務フローに自然に組み込めるか
- 運用コストが高くなりすぎないか
- 必要以上に複雑な構成になっていないか
AIを使うことが目的ではありません。
会社の数字を見やすくする。 判断を早くする。 毎回の確認作業を減らす。 経営や業務改善に使える情報を取り出す。
そのための手段としてAIを使う、という考え方が大切だと思っています。
今後も社内システムの改善を続けます
技術ブログの更新は2ヶ月ほど空いてしまいましたが、その間にも社内ではいろいろな改善を進めていました。
今回書いた社内ダッシュボードの見直しも、その一つです。
OpenClawを試し、実際に使ってみて、課題が見えたので、ChatGPT APIを使った構成に移行しました。
結果として、以前よりもシンプルで安定した仕組みにできたと思います。
今回の経験から、AI活用では「どのAIツールを使うか」だけでなく、「どの業務に、どのくらいのコストで、どのくらい安定して組み込めるか」が重要だと改めて感じました。
今後も、AIやWeb技術を活用しながら、社内業務を少しずつ改善していきます。
技術ブログでも、実際に試したこと、うまくいったこと、逆にうまくいかなかったことを含めて、できるだけ正直に書いていきたいと思います。