少子高齢化が進む日本において、高齢者福祉施設が果たす役割は大きくなっています。
一方で、利用者の安全やサービスの品質を保つ中で スタッフの負担も増えています。 利用者の安全を守るためには、常時スタッフが気を配っておく必要があります。
しかし、さまざまな業務を行う中で、見落としをなくすことは簡単ではありません。
そこで、防犯カメラシステムの機能を活かして、課題を解決できないかという相談が寄せられました。
今回は、高齢者福祉施設に適した防犯カメラシステムの導入事例を紹介します。
本記事の概要
お客様の問い合わせ経緯
当社にご相談くださった高齢者福祉施設の場合、防犯カメラの映像を常時チェックしつづけなければいけないという課題がありました。
お客様の課題
- 高齢者福祉施設に入居する利用者の方が、無断で外出した際に必ず気づけるようにしたい
- 防犯カメラの映像を常時見続けることなく、必要なタイミングだけに調整したい
高齢者福祉施設において、スタッフはさまざまな業務を行います。
そのため 常に防犯カメラの映像をチェックするというのは現実的ではありません。
しかし、万が一なにかが起こった際に、スタッフが気づけなかった場合は予期せぬ事故につながる恐れもあります。
こうした状況のなかで、 「開閉センサーによる警報アラーム機能」 と 「ニーズに合わせた回路設計」 により、2つの課題を解決することに成功したのです。
防犯カメラシステムと扉開閉センサーを組み合わせたソリューション〜レコーダーの入出力接点を活かした機能の追加〜
高齢者福祉施設では、すでに防犯カメラを設置しているというケースが多いのではないでしょうか。
今回ご相談をいただいた高齢者福祉施設でも、施設に入居する方が人知れず外出しないよう、また外部からの侵入者への備えとして、 出入口の扉と窓を監視するカメラとレコーダーが設置されていました。
扉や窓に向けて防犯カメラを設置し、出ていく人と入ってくる人の監視をしていたのですが、 単に映像をモニタに映しているだけでは人の出入りを見逃してしまうことも ありました。
つまり、見逃しを防ぐにはスタッフが常時モニタを見ていなければならないという課題があったのです。
そこで、スタッフの業務負担を軽減すると同時に、万が一の見逃しをなくすため、 扉が開いた時にだけ警報が鳴って人の出入りを知らせる機能を追加したい という相談が寄せられました。
この事例を紹介すると同時に、抱えていた課題を解決するだけでなく、さらなるメリットを生んだ提案について、詳しく紹介していきます。
機能1:開閉センサーによる警報アラーム機能
扉や窓が開いた時、その動作を感知して警報アラームを鳴らすことでスタッフに知らせることが、今回の提案内容です。設置作業はシンプルで、扉に開閉センサーを取り付け、その接点をレコーダーに取り込むだけでした。
アイゼックのレコーダーには、センサー入力やアラーム出力接点機能が備わっている ため、こうした機能の追加も 低コストで実現することが可能 です。
機能2:レコーダー側の設定で、警報のオン・オフを可能に
開閉センサーと警報アラームの取り付けにあたって工夫したのが、 レコーダー側の設定でオン・オフの操作ができるようにした ことです。
レコーダーのアラーム出力接点に警報装置を取り付け、開放検知信号がオンになれば、警報装置を鳴らすという設定です。
夜間など人の出入りがない時間帯だけセンサーが開閉を感知するように設定することで、扉のセンサーを操作しに行く必要がなくなりました。
機能3:オーダーメイドの回路設計にも対応可能
特別な機能というわけではありませんが、今回の事例では回路設計やシステム設計から手掛ける必要があり、アイゼックの電気設計技術者がオリジナルの設計を行いました。
センサーの取り付けのような独自の回路設計が必要なケースにも対応できるため、 使用する状況に応じたオーダーメイドのシステムを構築できる 点が大きな強みです。
既存の機器を設置するだけでなく、必要とされる場所に必要な機能を追加することで、さまざまな相談や困りごとに対応しています。
高齢者福祉施設における防犯カメラシステムの重要性
当社にご相談いただいた企業様に、最適な防犯カメラシステムをご提案させていただいたところ、とても喜んでいただきました。
高齢者福祉施設を含む福祉施設におけるセキュリティ製品の重要性は高まっているためでしょう。以下では、当社にご相談いただくお悩みの一例をご紹介します。
(1)目の届かないところで利用者を見守る
「施設内に防犯カメラを設置すると、利用者の方を見張っているような気がする」というスタッフの方も少なくありません。
そこでご提案するのが、施設内で事故が起こりそうな場所に限定した防犯カメラの設置です。
スタッフの目が行き届かない部分だけカメラでカバーし、未然に事故を防ぎます。
また、万が一、事故が起こったとしても、その原因を映像からすぐに解明できる利点があります。
利用者の方がどのような行動を取ったことが原因で事故やケガが起こったのかを追跡でき、事故の対策にも大いに役立ちます。
(2)徘徊防止センサーによる危険の感知
規模の大きな高齢者福祉施設の場合、利用者1人ひとりの行動を管理しきれないという悩みをお持ちかもしれません。
特にリスクが高いのが、利用者の方の徘徊です。予測できない行動を取る場合があるため、事故が起きないよう状況を把握する上でも、防犯カメラの設置は非常に有効といえます。
また、徘徊防止センサーと組み合わせることで、安全対策を万全なものにすることができます。
例えば、入ってはいけないエリアに徘徊防止センサーを設置することで、無断入室などを未然に防げます。
施設内の死角をカバーする上でも、センサーなど複数の機能を組み合わせた防犯カメラシステムの導入がおすすめです。
(3)視覚的な圧迫がないカメラの導入
施設内の防犯カメラが、利用者の方に心理的な圧迫感を与えているケースがあります。
「安全管理のために防犯カメラを設置したいけど、利用者の方にプレッシャーを与えたくない」といったニーズに応えるのが、丸いフォルムが特徴的なドーム型の防犯カメラです。
レンズの露出がなく、見た目にも圧迫感が少ないため、防犯カメラに見張られている感覚を低減することができます。
また、配線なども露出しないように工夫することで、内装の美観を損ねる心配もありません。
見た目もスマートな防犯カメラを選択して、空間の快適性を担保することも十分に可能です。
機器と機能の最適な組み合わせが理想を実現する
高齢者福祉施設など福祉施設への防犯カメラの導入は、外部からの侵入者を防ぐだけでなく、施設内で暮らす利用者の方々の安全を支える上でも非常に有効です。
防犯カメラの映像に頼った管理ではなく、 センサーなどの機器や複数の機能を組み合わせることで、施設のニーズに応じたオーダーメイドのシステムを作り上げることも十分にできます。
アイゼックでは、幅広い悩みや困りごとに対応する機器やソリューションがございます、ぜひ一度ご相談ください。
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