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2024-08-05 技術ブログ

映像を遠隔に送るには

    映像を活用したDXをするなら、まずは映像の伝送から

    近年は光回線の普及や5Gなど高速無線通信技術の発達によって送れるデータ量がふえ、H.265といった映像圧縮方式が開発された事で高画質な映像を少ないデータで伝送する事ができるようになり、映像をリアルタイムで遠隔に送るといった事が一般的になりつつあります。


    映像はテキストや静止画に比べ情報量が多く、映像をうまく活用できれば生産性の向上や省人化に役立てる事ができます。


    例えば映像を遠隔に送る事ができれば、各工場、プラントの情報を1拠点で集中管理したり、病院の手術映像を遠隔地でモニタリングしたりと業務効率化に役立ちます。


    また映像の遠隔伝送とクラウドサーバーを組み合わせ、クラウドサーバーにてAI(ディープラーニング)処理を実施すれば従来人が実施していた監視業務などを機械に置き換えたり効率化する事ができ、映像を活用したDXを推進できます。

    映像を遠隔に伝送するにはどうすればいいの?

    映像を遠隔に送るシステムとしては大きくわけて2通りあります。

    ①ネットワークカメラ(IPカメラ)を使った映像伝送

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    ネットワークカメラは映像をイーサネット(LAN)を使って遠隔に送る事が可能なデータ形式で映像を出力すので、ネットワークカメラとインターネットをつなぐだけで簡単に遠隔に映像を送る事ができます。工場の監視などに使うのであれば安価で簡単にシステムを構築できるのでお勧めです。


    しかし工場の操業モニタの映像を遠隔に送りたい場合に、ネットワークカメラに映して遠隔に送るなどすると、画質が悪く映像が確認できない場合があります。


    病院などでは手術撮影用のカメラは出力がHDMIやHD-SDIといったアナログカメラを使っている所も多く、特殊なカメラである事がおおいので、それをネットワークカメラタイプに切り替えるとなると大きなコストがかる、もしくは対応した製品が無い場合がございます。


    上記のようなケースでは映像用エンコーダー、デコーダーを使う事で映像を遠隔伝送する事が可能です。

    ②映像用エンコーダー、デコーダーを使った映像伝送

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    HDMIやHD-SDIの映像を遠隔に送る為には専用の機器が必要です。映像用エンコーダーという装置はこれらの映像をLANで遠隔に送る事ができるデータに変換する装置でこれを使う事で遠隔に映像を送る事ができます。


    また映像用デコーダーを使うとデータ化した映像を再度、HDMIの映像に変換する事ができます。映像用デコーダーを介してHDMIに変換した映像をモニタに繋げばモニタでリアルタイム映像を常時確認する事ができます。

    映像を遠隔に伝送する際に気を付ける事

    ①セキュリティ対策

    映像を遠隔に伝送する際には情報流出や不正アクセスなどがないようにセキュリティ対策をしっかり行う必要があります。インターネットで映像を送る際にセキュリティ対策をしていないと情報流出する危険性があります。


    対策として映像を暗号化して送ったり、VPN回線というセキュリティ性の高いネットワークを構築するなどの対策が必要です。


    また使用する機器で暗号化通信が有効か?暗号化通信の方式は最新のものがサポートされているかなどの確認も必要です。


    暗号化通信(https)はインターネット上の通信を暗号化し通信を盗み見られても解読できない状態にします。その仕組みとしてSSL/TSLが使われてますが、脆弱性が見つかった際にその改善が年々行われており、現在はTLS2.0やTSL3.0が主流です。


    しかしネットワーク機器によっては機器側でアップデートが出来ておらずSSL2.0やTLS1.0などが使われている事もありますので最新にアップデートされているか確認をする必要があります。


    また情報流出対策としてVPN回線を使うとのも有効です。ただしVPN回線も注意が必要で、VPN回線には主に「リモートアクセスVPN」と「拠点間VPN」の2種類があります。


    「リモートアクセスVPN」を使う場合、定期的にVPN機器をアップデートしサポートが切れたら新しい機器に更新するなど定期的なメンテナンスが必要です。


    詳しくはこちらの記事でも紹介しておりますのでご参考下さい。

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    ②映像を安定して送る設定

    映像のデータサイズが大きすぎるとコマ落ちしたり、止まってしまったり安定して送れない事があります。また映像伝送にネットワークの帯域を多く使ってしまいネットワーク上のPCやサーバー、クラウド電話サービスの通信に影響を与えてしまう可能性があります。


    そこで映像のビットレートやフレームレート画質などを調整し、ネットワークに最適なデータサイズで映像を送る必要があります。


    またネットワークも優先順位設定、例えばクラウド電話などの通信サービスを最優先、次にPCやサーバーの通信、最後に映像伝送の通信といった形でネットワークの優先順位を設定する事で同じネットワーク上の通信へ影響を無くすことができます。

    映像とその他システムを組み合わせDXを推進

    映像を遠隔に送り、遠隔監視するだけではそこまで生産性は向上しません。そこで他の機器やシステムと組み合わせる事でより向上させる効果が期待できます。


    例えばセンサーと組み合わせ、緊急停止センサーが働いたらメールに現地映像を添付して飛ばしたり、遠隔監視場所でアラームを鳴らしたりできます。


    またNASと組み合わせて、遠隔の映像を録画したり、他にもAWSやGoogle Cloud、Azureといったクラウドサービスに接続しデータ分析を行うなど


    映像とセンサーや、スピーカー、NAS、クラウドサービスなど各種機器やサービスと組み合わせる事でより利便性の高いシステムを構築できます。

    アイゼックの映像伝送システム構築サービスでできること

    映像をつかった業務改善をしたいけど、具体的な活用例が思いつかない、やりたい事はイメージできているけどどういったシステムを構築すればよいのか分からないといった方向けに、アイゼックでは映像伝送システム構築サービスを提供しております。


    お客様の課題、ニーズに合わせ最適なシステムを検討、ご提案。現地の設置工事から設定、導入教育まで一気通貫でのサービス提供が可能です。


    まだ具体的な内容が固まってなくても構いません。お客様のお悩みに対して映像伝送のスペシャリストが解決策をご提案いたします。


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