2024年時点で市場に出回っている監視カメラは、主にフルHD(1920x1080ピクセル)、2.7K(2688x1520ピクセル)、そして4K(3840x2160ピクセル)の解像度で提供されているモデルが多く見られます。
解像度が高いほど、鮮明な映像が得られる一方で、カメラの本体価格は高くなる傾向にあります。
この記事では、異なる解像度の監視カメラの映像品質を比較し、各解像度の長所と短所をまとめました。監視カメラ選びの参考にしてください。
解像度の違いについて
この画像は監視カメラの解像度の違いを面積で比較したものです。フルHD(1920x1080)を基準とすると2.7K(2688x1520)は2倍、4K(3840x2160)は4倍の面積になります。
面積が大きいほどより多くの画素を含んでおり、より細かいディテールを捉えることができることを示しています。
映像の比較
今回の検証ではフルHD、2.7K、4Kの3台のカメラを並べて撮影しました。
全画面表示で見る限り、これらのカメラの映像はほぼ同じように見えます。
ズーム時の違い
しかし、ここで重要なのはデジタルズームを使用した際の映像の違いです。
デジタルズームによる拡大を行うと、それぞれの解像度の差が顕著になります。
フルHD解像度のカメラでは、標識の文字が認識できないのに対し、2.7Kや4K解像度のカメラでは標識の文字を認識できます。4Kカメラは2.7Kカメラより明瞭な画像となってます。
冒頭の比較画像で示したように高解像度のカメラはフルHDのカメラに比べ多くの画素を持つため、ズームしても映像が粗くなりにくいです。
それぞれのカメラの用途
4K解像度の監視カメラは、その高精細な映像を捉えるためには高いビットレートでの録画が必要です。
この結果、ネットワークの帯域をより多く使用し、レコーダーにも大きなストレージ容量が要求されます。
加えて、フルHDや2.7Kのカメラに比べて、4Kカメラは価格が高めに設定されていることが一般的です。こうした特性を踏まえると、実際の監視シーンに応じた適切なカメラの選択が重要になります。
4Kカメラ
4Kカメラは、駐車場のような広範囲にわたる場所で非常に有用です。
4K解像度により、広い範囲をカバーしながらも細部まで鮮明に捉えることができます。
これにより、不特定多数の人々や車両の動きを効果的に監視し、必要な場合には詳細な情報(例えば車のナンバープレートや人物の顔)を識別できます。
2.7Kカメラ
2.7Kカメラは、スーパーマーケットのような中規模の空間で最適です。
この解像度は、人の流れや行動パターンを確認するのに十分な画質を提供し、同時に広い範囲をカバーできます。
不特定多数の人が出入りする店舗環境において、適切なバランスの解像度を提供します。
フルHDカメラ
フルHDカメラは、オフィスのエントランスなど比較的小規模で、人物の出入りが名簿などで管理されている場所に適しています。
これらの場所では、広範囲の監視よりも、特定の領域や入り口などを明瞭に監視することが重要です。
フルHD解像度はこのような用途に十分な性能を提供し、コスト効率も良い選択となります。
これらが、解像度に応じた監視カメラの有効な使用シナリオです。
本記事を通じて、解像度の特性とそれが使用環境にどのように影響するかをご理解いただけたかと思います。
適切な解像度を備えたカメラを選択することで、効果的な監視システムを構築し、安全とセキュリティを確保することができます。
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当社では、お客様の個別の要望に応じた監視カメラシステムを提供するために、様々な機器の動作検証を行っています。
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